Tuesday, October 31, 2006

指輪を捨ててまで愛して欲しい時がある

 「君が愛してくれるようには、僕は君を愛せない。」

 彼と問題があると僕はいつも、「性格が合わないからだ。」と簡単に結論付けようとするところがあり、彼は「そう簡単に性格が合わないって考えるな。話し合って、お互いどう変われるかを考えろ。」と言います。言ってることは間違いではないと思います。が、、、

 それは先週の金曜日のこと。僕の携帯にタイ人の音楽友達からかかってきた電話を巡って言い合いをしたときに、「てっとは自分から進んで友達のことや、何をしているのかを話してくれない。」と、以前にも同じ内容の言い合いをしたことをまた掘り返してきました。前の喧嘩以降、僕は以前より更に気を使って、友達と遊びに行く時には前もって詳細を伝えたり、「今、こんな知り合いが出来たよ。」と話して一緒に会ってもらったりと、僕の考える限りのベストを尽くしているつもりだったんですが、それでも前と同じ指摘をされ、自分の範疇を超える要求をされたと思ったことに対し、思わず言ってしまったのが先の1行目の台詞です。

 そしてその夜、久しぶりに一緒にディスコへ出かけた時に、初めて吸わないタバコを彼が僕の横で当然のように吸っていたので、ちょっとムカッときた僕は黙ってディスコの外に出るとすかさず彼が追いかけて来て、そのことを詫びてきたので僕は、「気にしなくても中に戻って友達と楽しんでおいでよ。僕は少し新鮮な空気を吸いたいから。」と精一杯怒るのを我慢して言ったのですが、僕の顔に怒っているのが表れていたらしく、それを察知した彼はなぜか逆ギレしたみたいで、通りのほうへと去って行きました。それをキョトンと見つめる僕。「あぁ、一人で帰っちゃうんだ。」となぜか冷静になっていた僕は、しばらくして大通りを家の方へと一人で歩き出しました。歩き出して10分くらいすると、後ろからドタドタと彼が顔中汗まみれで走って来て僕の腕を掴む。息を切らしながら少し苦しそうに彼は、「こんなに好きなのに、どうして君は僕の事を愛してくれないんだ。」と嗚咽まじりで僕に訴えかけてくる。不意にそう言われてビックリした僕はキョトンとして何も言えないままでいると、急に僕の薬指から以前、彼がお揃いで買ってくれたペアの指輪を抜き取り、彼の指輪と合わせて柵の向こう側へ投げてしまいました。

 彼は僕がどんなに性格が悪くても、口うるさくても、どんなに怠惰な人間でも、浮気をしなければ、好きだという気持ちは変わらないという。この先の人生も一緒に歩んで、将来はコンドミニアムを買って一緒に住んで幸せな生活を送るのが彼の人生の青写真だそう。いつかそんな気持ちも変わるのかもしれないですが、今のそんな彼の包容力には、ただただ感謝し、頭が下がる思いです。彼が僕を愛するが故に、僕の行動一つ一つが不安にさせたり、悲しませたりしているのは十分承知の上なのですが、いかんせん僕の彼に対する愛情の強さが彼のそれと比べると弱いので、一緒にお互い気持ちよく同居生活が出来る様な工夫は出来ても、「彼のために何かをしてやろう。」とか「彼に好かれる性格になろう。」とか中々出来ません。もし彼をもっと凄く愛しているんなら出来る様なことを。だから毎度、同じ様な内容で喧嘩するんだと思います。問題は僕のほうにあるんです。

 なんで彼はあの時指輪を捨ててしまったのか?指輪と共に彼のやるせない気持ちも捨ててしまいたかったのかもしれません。どうしたら彼をもっと愛せるのだろう?どこにも答えが見つからない。

Sunday, October 29, 2006

彼のまゆげはウォータープルーフ

 以前「まゆげ」でエントリーした時は、日本人男子は眉毛を抜いたり切ったりしてお手入れするのはもはや当たり前の感覚だと書きましたが、うちの彼は出かける前にはマツゲにつけるウォータープルーフ仕様のマスカラを使って眉毛の色を強化するのが日課です。もともとある眉毛は何も処理していないのでフサフサのゲジゲジ眉毛。

 誰かに「眉毛を書いたらもっとハンサムになるよ。」と吹き込まれたらしく、それ以来マスカラで「眉の強化」に勤しんでいる様で、それが適度に顔とのバランスがとれているのならOKなのですが彼の場合、マスカラを眉に塗りたくり、彼の大きすぎる目より眉のほうが自己主張している。超不自然。言っても聞かない。僕がタイに来た当初はあまり気にしなかったんですが、最近ディスコには良く行くし、ピアスはつけ出すし、なんか色気づいています。まぁ、まだ若いからおしゃれを楽しみたいんだろうけど、、、

 タイ人の、特にゲイの若い子のおしゃれ感覚って、はっきり自己主張しないと気が済まないように思いませんか?首と顔の色が変わるくらいにファンデーション塗りたくったり、オーデコロンを身体に20回くらい吹き付けたり、やけに目立つネックレスをつけたり。日本人の、ナチュラルな「あら、今日はなにか違うね。」みたいな感じのことをしても、それは結局やっていないのと同じとみなされるみたいで。

 彼がディスコに行く前に精一杯のおしゃれをして部屋を出る時、キスをせがまれても拒絶してしまう僕。

 (彼の眉写真をアップしたかったんですが、彼もたまにこのブログを僕がエントリーしている横から覗き込んでくるので、彼の名誉(?)のためにも今はよしておきます。)

Monday, October 23, 2006

タイ人にお金を貸すの巻

 1ヶ月くらい前、彼が新しい仕事が見つかったけれど、その会社で働くにはデポジット(預け金)6万バーツ(約18万円)をあらかじめ会社に払わなければいけないらしく、それまで学生だった彼は当然そんな金を自分で払える訳もなく、かといって親から借りると言っても、今喧嘩していて少し疎遠になっているから借りれないそうで、彼なりに悩みになやんだ挙げ句、同じバンコクに住む伯母さんにお金を借りる事にしたそうです。でもデポジットの支払い期限前日に、その伯母さんから彼の携帯に連絡が入り、「ごめん、今4万バーツしか貸せないのよ。」と言われ面食らった様子の彼。困っている彼の様子を見ていたら、普段は超ケチな僕も腰を上げなきゃな、と思い、残りの預け金2万バーツを僕のポケットマネーから出すことに。。。

 タイ人含め日本人の友達ましてや恋人にも、こんなにもお金を貸したのは初めてで、タイ人は金を貸しても返ってこないという定説があるらしく(?)、僕も次のクレジット決済にその返してもらえるはずの金を当てようと思ったので、「絶対来月◯◯日までには返してや。」と念を押し、彼も毎度のごとく僕に口うるさく言われるのがイヤだったのか、早く話をつけたいかのように、「その日までに父親に金借りてでも返すから心配しないで。」と言ったので2万バーツを貸しました。

 そして約1ヶ月が経ち、その期限が翌日に迫ったある日、彼から貸した金のことを全く話す気配がこれまでなかったので、こっちから話してかけてみると、「あ?なんのこと?」みたいな感じでキョトンと僕のほうを見ている。まさか、、、と嫌な予感は当たり、「ごめん、今はお金がないから明日には返せない。忙しくて親にも聞けなかった。」と少しあたりの悪そうな顔でそう言う。「忙しいだと?!テレビとかインターネットとかしてる時間あったら聞けるやろ!!」と心の中でヒステリーになりつつも、やっぱり親から借りるのは言い出しにくいだろうなという思いと、こちらとしてももう新たな喧嘩の火種は生みたくないので、「じゃあ次の給料でたら、その日に返してや。」と言って、ムッツリ顔のまま僕はシャワーを浴びに行きました。少しは大人になったのかな、僕。

 ここ一ヶ月の彼とのやりとり、そして友達からの話を総合してみると、どうやらタイ人との約束は約束じゃないようです。日本よりはビジネスの面では契約社会だというのに、一個人のあいだの約束はすぐに変更できるものだと思っています。例えば、1週間前に会う約束をしていても、その約束の当日、しかも約束の時間少し前に電話が来て、「ごめ〜ん。今日は母親と出かけないと行けないから今度会おうね。」などというドタキャンは決して珍しくないです。これをやられたタイ人も当然その時は怒るものの、その日のうちには機嫌が直って、次の日にはドタキャンした本人と遊んでいることが多い。

 サバーイサバーイ!(悲)

Saturday, October 21, 2006

チャトゥチャック公園から帰ってきた彼の手には。。。

 今日は土曜日で、バンコクにあるチャトゥチャック公園は世界で一番大きい(らしい)市場に変貌する。今日は彼が朝から友達を連れて、会社用の服を買いに出かけたみたいです。さっき帰ってきたのですが、「暑いっ!」と言って帰ってきた彼のその手にはお揃いのペアのシルバーの指輪がっ。しかも、つや消しもなにもしていない、ただ銀に穴を開けたみたいなだけで、その上、プラスチックの小さいなダイヤが飾りで付いている。僕のあまり好きじゃない感じ。

 買ってきてもらうのはありがたいんだけど、指輪なんてその人の薬指に合うかとか、デザインの好みもあるのに、彼の独断でペアの指輪を買ってきてくるのもどうかなと思いませんか〜?しかも2人の仲を証明するための指輪なんだから毎日つけろ、と。きっつぅ〜〜。

 そして僕はたまらず抗議するも、「昨日一緒に買い物行こうって言っても行かないって言ったのは、てっとじゃないか。」となぜか僕のせいにされてしまった。「今日じゃなくても、また今度2人で行けるでしょ?」と言ったら「今度っていつよ?今が指輪の買い時なんだ。」と、訳の分からぬことをぬかされ、ただ絶句。。。

オアシス

 昨日はサイアムパラゴンでタイ在住の日本人の友達と食事をしました。彼も以前タイ人の彼氏がいて、彼氏と喧嘩した時の話とか、タイ式のものの考え方の違いとかを2人で言い合ってました。タイ人との生活で毎日知らない間に少しづつ溜まって行くフラストレーションを癒してくれる一種の清涼剤のような時間でした。たまにはこんなのも悪くないなぁ。akinkunさん、つまらない僕の愚痴のオンパレードにつき合ってくれてありがとうございましたっ。

Thursday, October 12, 2006

おしらせ

タクシン前首相(ロイター/Toby Melville)
 今日(12日)、NHKの「クローズアップ現代」にてタイのクーデターのことをやるみたいです。「軍事クーデターの深層に迫る。」らしいので興味あるひとは観てみてください。日本ではNHK総合にて夜7時半から、タイに居る人はNHKワールドにて深夜12時9分からです。

 http://www.nhk.or.jp/gendai/

 (写真:ロイター/Toby Melville)

彼はディスコの住人

 今日の夕食は少し気合いを入れて、この前テレビで観て彼のために作ってやろうと、メモまでして作ったサバの韓国風味噌煮と、オリジナルのきんぴらを作って彼の仕事が終わるのを待っていたら、夜10時過ぎに僕の携帯に電話が入る。「今、友達に誘われてICKに居るんだ。早く帰るようにするから飯、先食べてていいよ。」もうすでに何杯か飲んでいるようなテンションで。

 彼はこの一週間に4日もディスコに行っている。僕は一回もついて行かない。家でおとなしくしてる方が好きだもん。たまに無性に行きたくなる時があるけど。。。でも昨日もディスコ、今日もディスコ。たぶん明日もディスコ?飯作った日くらい一緒に食べようよ。せっかくおいしく作ったのに。。。

 まだ、彼は帰って来てない。帰って来たらまた喧嘩しちゃうのかなぁ?楽しい事が目の前にあったら、そっちになびいてしまうタイ人。僕もそんな風になっちゃたほうが楽なのにな。なんか、なれない。そして、せつない。

Wednesday, October 11, 2006

マンションの前が冠水

 少し遅めの朝食を食べた後、エンポリアムにて新しく買った紫色のコーヒーカップで少し冷めたコーヒーをすすりながら、彼が扉越しにシャワーを浴びているシャーシャーという水の音を心地よく聞いていたら、それをかき消すのかのごとく、さらに大きな水の音が鳴った。ジャージャーというよりも、もっと大きな、窓を揺らすほどの雨。一瞬窓の外がピカッと光った。少し遅れてゴロゴロと遠くで鳴る。その音で僕の心も一瞬にして曇る。バンコックは今日も雨だった(三島由紀夫風)。

 本当、雨期の終わりはよく雨が降って困ります。朝バケツをひっくり返した雨が3〜4時間降った後、太陽が現れてカラッと晴れたかと思えば、それも一瞬で、また朝と同じ様なバケツの雨が降ります。雲がバンコク中にドンヨリと立ちこめ、空は日没前のような薄暗い空色が一日中続く日も珍しくないです。

 今日は雨が上がった一瞬の隙を見て、ひさびさに彼と2人でカルフールに食料調達をしようと外に出たら、マンションの前の道が川のように冠水していました。車が車体の半分くらいの長さの銀の羽を作りながら走り、車の後ろにはジャブジャブと波打つ水がついて来ています。そんな道を歩いて行けるはずもなく、マンションのトゥクトゥクが戻ってくるまで1階のロビーで待ちました。

 トゥクトゥクからカルフールへは約2キロあって、途中2車線の少し広い道に出るんですが、そこも完全に冠水。少し前までバイクに乗って運転していたであろう兄ちゃんも、エンジンに水が入って動かなくなったのか、微妙な笑みを浮かべながら「川」の中をバイクを押して歩いていました。「川」の中を車が列をなして走っている。「川」には車は浮かばないはずなのに、なぜか浮きながら走っている。そう思わせるほど、不思議な光景でした。

 バンコクは雨が降ると交通機関が麻痺します。貧弱です。まともに動いているのはBTS(高架式鉄道)と地下鉄くらい。カルフールのKFCで食事したあと、買い物をしてタクシーで帰ろうとしても、なかなか捕まらない。タクシーはいっぱい走っていれど「空車」の赤いランプは消されている。たまに「空車」が光っていても、なぜか呼ぶ手を無視して走り過ぎて行ってしまう。タクシーの運転手も道を選んで走っている。それを知ってるからこそ余計、くやしい。

 なんとかタクシーを呼び止めて家路についたのは、普段なら歩いてでも20分近くで帰れるところを、タクシー待ちに時間を潰され、1時間もかかりました。家に帰ってすぐに飲もうと決めていたビールも、生温さが缶の外からも感じられたので、冷蔵庫で一時待機の羽目に。チクショウ。

Monday, October 09, 2006

アオジャイヤークカン

 「俺の言う事にイチイチけちつけんじゃねー!」日本語ではないが、彼の口から出たそれは僕にはそう聞こえました。

 一緒に近くのATMへ金をおろしに行く途中、雨がパラパラ降り出し「帽子か、傘を持って来たら良かったのに」と、それが彼の性格なのか、少し僕を上から諭すような口調で言って来たので、「雨が降ったら帽子なんか役に立たないじゃない。腕とか脚とか、濡れるし」と逆に諭すように、でも口調は柔らかく身振りを交えて言うと、言い返されたことがつまらなかったのか、急にムスっとしだしました。それが伝わった僕はなんだか急に居心地が悪くなって、またいつもの言い合い。

 「でも本当のこと言っただけやし」「俺の自信を無くさせるような事は言うな」「そんなふうに言ったんとちゃう」「黙って聞き流しときゃいいんだよ」「普通のなにげない会話やん、これ。ちゃう?」、、、あぁ、またいつもの堂々巡り。お互い言い合い始めると、どっちも譲らない、手におえない性格。アオジャイヤークカンチンチン。

Thursday, October 05, 2006

蛙の声にも侘び寂び


 日本からここバンコクに戻ってきてもう5日が経とうとしてます。学校がまだ始まってないので、毎日家でゴロゴロか、近場のスーパーとかエンポリアムをうろちょろしてます。今タイは雨期の終わりだから、ほぼ毎日雨が降ってジメジメして外で蛙がゲーコゲーコ鳴きまくってます。

 帰ってきた日が30日だったので、バンコク新空港に飛行機が着陸しました。搭乗口から出国審査までの道ではところどころまだ工事中で、兄ちゃんが火花を散らして頑張って工事を進めてました。オープンしたてなので荷物が出てこないとか、入国審査が鬼のようにトロイとか言われてますが、僕の場合は何事もなくまぁ普通に到着ゲートから出て来れました。ドンムアン空港とは違って到着ゲートがA,B,Cとあるので(Aのみ国内線)、友達とか家族と待ち合わせする時は前もって落ち合うゲートを決めておいた方がいいなと思いました。(でもケータイがあったら無問題か。。。)

 今年の3月にタイで住み始めて半年。今回の日本一時帰国を節目に、10月からは将来のことを本気で考えて決めたり、タイにもっと合わせられる自分にしていかねば。今のままじゃほんまイケナイ。。。